天然コルクの記事で書いたように天然コルクを使うとデメリットが多い事が分かりました。
コルクテイントと呼ばれる問題です。
※テイント(=taint)とは、品質が何らかの作用で劣化したという意味。コルクテイントとは、コルクが原因でワインが劣化した、という意味。
同様に天然ものを使うことは同じようなデメリットがあるんじゃないか?
というところで出てきた疑問は
「ワインの樽も木である必要は本当に有るのか?」
ということ。
ワインを区別するのにも大いに役立っている香りの個性として「樽香」(樽の香り)というのがあります。
樽によりつけられるのは樽の内側を焦がす事でつくトースト香やオーク材の渋みやオークそのものの香りなどがあります。
今ではハンガリーや東欧のオーク材が安いので多く使われるようになってきたそうですが、フランスのフレンチオーク(フランス産のカシの木)は、一部産地の素材は非常に高価(ひと樽4000ドルとか!)ですがそれでも高級なワインには多く使われるようです。
つまり樽の香りに期待する価値が高いということが言えるのだと思います。
ですが、木樽が香りや渋みを付けるためなら木材を細かくしてワインの中にオーク材のチップを漬けこめば短期間で香り付けさせることが出来るのではないか?
やはりそう考える人がいるために、ステンレス樽で短期間醸造し、木材チップで香り付けする手法が近年多く採用されているようです。
EU圏内でも2006年10月以降、オークチップやオーク板の使用が認められるようになりました。
これによりコストが下がっても良い香りがつくようになったのは事実だと思います。
それはそうなんだけど、木樽で熟成させるってことは、こう、何かロマンチックな気持ちを起こさせます。
きっと良いものになってるだろう!と期待するワクワク感ですね!
それが「木樽で熟成している」ということなのだと思います。
何でも合理的になればいい、というものでもなく、大きなデメリットが無いなら木樽で作って欲しい気はしますね。
今日はここまで。