朝の3時からの出発
まだ暗くて 道ばたを
悠々と歩く 野良猫を
ひきそうになってしまう
だけど 猫にとっては
この時間は 自分たちのものだ
まるきり急がないし
むしろ何か文句あるのかという顔で
こちらを にらみつける始末だ
まぁ よい 急いではいるが
急いでいないようなものだ
いつもは渋滞の道も
その時間はただの道
ただひたすら目的地へと走った
こんな真夜中にここまでの距離を
自分で移動できていたら
もっと上手く 生きてこれたのかななんて
たられば の話し
車の中はある意味 自分の部屋である
その自分の部屋で移動できる
車って、やっぱり良い
38歳にして取った 初免許
いまさらになって良さを知る
いろんな思考が駆け巡りながら
さっさと用を済ませてみると
外には
真っ赤な太陽が昇ってきている
あの色は 人の血を熱くさせる色
もんもんと情熱が溢れだし
帰って お勉強でもしようと
思ったけど 気づけば
案外 疲れていることに
いつものソファーに座って気づく
服を脱ぎっぱなしで
ゴソゴソと布団の間に
カラダを捻じりこむと
シーツに密着したカラダは
布団と同化して
僕はただの 無機質なものになった
翌朝 返信は なかった